プロンプトで二人を描き分ける|属性ブロックと構図で混同を防ぐ

二人の画像の書き分けのプロンプト
プロンプトで二人を描き分ける|属性ブロックと構図で混同を防ぐ

画像生成で「同じ絵の中に二人」を入れると、髪色や衣装が混ざったり、顔が似てしまったりしがちです。まずは役割・構図・距離感の三点を決め、次に属性を人ごとにまとめて書くのが近道です。今回のテーマはプロンプト「二 人の描き分け」。人物A/Bの区切り方、被写体の位置とポーズ、服装や小物の差別化、Negative指定の活用まで、主要ツールで共通する作法を手順化し、制作の再現性を高めるコツを整理します。

この記事のポイント
  • プロンプトで二人を描き分ける基本設計を手順化
  • 構図・距離・ポーズの差で混同を避ける考え方
  • 属性ブロック化とNegative指定の実践テンプレ
  • モデル差・LoRA・seed管理の運用ルールを整理
Contents

プロンプトで二人を描き分ける|役割設定と構図設計の最短手順

プロンプトで二人を描き分ける
  1. 使い方:人物A/Bの属性をブロックで分離
  2. 構図:距離・角度・レイヤーで認識を安定
  3. 衣装:色相と素材で被りを回避
  4. 髪型:長さ・前髪・アクセで識別強化
  5. 小物:シンボル配置で誰かを一目で区別
  6. 照明:色温度差とリムライトで輪郭を分ける
  7. 位置:左右・前後・座り立ちの非対称ルール
  8. 日本語:簡潔な語順と読点で誤解を防ぐ

使い方:人物A/Bの属性をブロックで分離

プロンプトで二人を描き分ける

Midjourneyで二人の人物を正確に描写するには、それぞれの属性を明確なブロックで分離して指示することが重要です。

  • 構造化: 人物ごとに「役割 → 外見 → 衣装 → ポーズ → 位置 → 感情」の順で塊にして書きます。
  • 区切り: 各ブロックや人物間は、セミコロン(;)や改行で区切りを明示することで、AIが指示を混同するのを防ぎます。
  • 固有名: 代名詞(she, her)ではなく、「Person A」や「Professor K」のように固有の呼称を一貫して使いましょう。

プロンプト例: Person A: female scientist; short blonde hair; white lab coat, red boots; standing, looking at screen; determined expression; Person B: male artist; long black hair; black turtleneck, wool scarf; sitting on stool, looking at A; curious expression; Common: minimalist industrial office background; cinematic lighting; --ar 16:9

構図:距離・角度・レイヤーで認識を安定

プロンプトで二人を描き分ける

二人の位置関係や画面の深度を先に定義することで、人物の混同を大きく減らせます。

  • カメラ距離: full body shot(全身)、half body shot(半身)、close-up(顔のみ)などで距離を固定します。
  • レイヤー: in the foreground(手前)、in the background(奥)で前後差をつけます。
  • 視線: 被写界深度(Depth of Field)を深くし、両方にピントを合わせる指示も有効です。前後差と視線方向を変えるだけでも、混同が大きく減ります。

プロンプト例: full body portrait, sharp focus on both subjects, low angle shot, Person A in foreground left, Person B in background right, 35mm lens, shallow depth of field;

衣装:色相と素材で被りを回避

プロンプトで二人を描き分ける

衣装の色や素材が似ていると、AIが二つの属性を誤って合成(混ざる)してしまう原因になります。

  • コントラスト: 同系色は避け、色相を大きくずらす(例:濃い青と鮮やかな黄色)か、素材を「ウールとサテン」「レザーとリネン」のように対照的にすると識別が安定します。
  • 柄の利用: 柄(ストライプ、チェックなど)は片方のみに割り当て、もう片方は無地にすると、AIの識別が楽になります。シルエット(ロングコート/ショートジャケット)も強い区別要素です。

プロンプト例: Person A: bright magenta silk dress; Person B: charcoal gray tweed blazer with a subtle plaid pattern;

髪型:長さ・前髪・アクセで識別強化

プロンプトで二人を描き分ける

髪型は、人物を特定する重要な要素です。長さ、前髪、カラー小物を使って、識別を強化しましょう。

  • 特徴の固定: 髪の長短(long hair, short bob)、前髪の有無(bangs, forehead exposed)、分け目、そしてアクセサリー(red hair ribbon, silver hair clip)を人ごとに固定します。
  • コントラスト: 肌の色が近いアジア人や欧米人を生成する場合、髪のカラーコントラストを強める(例:黒髪とプラチナブロンド)と、誤合成を防ぎやすくなります。

プロンプト例: Person A: long curly red hair, no bangs; Person B: slicked back short black hair, wearing gold hair clip;

小物:シンボル配置で誰かを一目で区別

プロンプトで二人を描き分ける

象徴的な小物を割り当てることで、人物の役割と個性が一目で分かり、AIの混線も防げます。

  • シンボルの割り当て: 片方にだけ「アンティークな本」を、もう片方に「デジタルタブレット」を割り当てるなど、対照的なシンボルにします。
  • 身体との関係: 「holds a large mug in left hand」や「wears a vintage pocket watch on vest」のように、小物を持つ、または身につけるなど、身体との関係を明示すると混線が減ります。

プロンプト例: Person A: holding a steaming porcelain teacup; Person B: wearing heavy leather gloves and holding a silver mechanical wrench;

照明:色温度差とリムライトで輪郭を分ける

プロンプトで二人を描き分ける

照明の色温度を変えることで、人物の輪郭と前後関係の読み分けを向上させられます。

  • 色温度の分離: 人物Aはwarm key light(暖色・主照明)、人物Bはcool fill light(寒色・補助照明)など、ライトの色を分けます。
  • 輪郭の強調: strong rim light(縁を光らせる照明)を使うと、人物の輪郭が背景から浮かび上がり、輪郭の読み分けが向上します。背景も左右で色味を変えると効果的です。

プロンプト例: dramatic lighting, strong contrast, warm yellow glow on Person A, cool blue fill on Person B, powerful white rim light separating subjects from background;

位置:左右・前後・座り立ちの非対称ルール

対称的な配置はAIの混同の原因になるため、非対称なルールを設定しましょう。

  • 非対称の原則: 左右の配置(Person A on the left)、前後の距離、姿勢(A is sitting, B is standing)をずらします。
  • 視線: 手の動きや視線を逆方向(A looks towards B, B looks away)に設定すると、動的な印象が生まれます。

プロンプト例: Person A is sitting on a stone bench on the far left, Person B is standing on the right behind a tree, A looks at the viewer, B looks towards the horizon;

日本語:簡潔な語順と読点で誤解を防ぐ

Midjourneyのプロンプトは英語が中心ですが、日本語で考える際も、AIの誤読を防ぐための工夫が必要です。

  • 短い句で区切る: 長文連結は避け、「人物A:…;人物B:…;共通:…」のように、短い句で区切りましょう。
  • 助詞の最小化: 「〜が」「〜を」といった助詞は最小限に留め、名詞中心の指示を優先します。
  • 併記: モデルが英語寄りの場合は、人名、色、位置といった重要なキーワードを英語も併記すると、AIの理解が安定します。

プロンプト例(日本語思考の整理): 人物A:女性、銀髪、ロング、青いドレス;人物B:男性、金髪、短髪、赤いタートルネック;背景:図書館、暖色照明;

プロンプトで二人を描き分ける|Negative指定とモデル運用の実践

  1. 設定:A/B区切りとNegativeの書き方
  2. 画像生成:LoRAとタグで混在を制御
  3. 比較:写真調とイラスト調の安定度
  4. 制限:指先・衣装混在の典型トラブル
  5. エージェント:反復生成と評価の自動化
  6. Deep Research:参照画像と特徴抽出
  7. ログ:seed固定と差分検証の手順

設定:A/B区切りとNegativeの書き方

二人の人物の属性が混ざるのを防ぐためには、プロンプトの構造化が不可欠です。

  • 構造化: まず、プロンプト 二 人 描き 分けの前提として、人物Aと人物Bの指示ブロックを改行またはセミコロン(;)で明確に区切ります。
  • 配置: 共通属性(背景、照明、レンダリングスタイル)は、最後にまとめて書くとAIの解釈が安定します。基本の順序は「人物A → 人物B → 共通設定 → Negative Prompt」です。
  • Negativeの活用: 混同させたくない要素(例:髪色が互いに混ざる、衣装が同一になる)は、Negative Prompt側へ退避させます。具体的な単語(merged faces, identical outfits, same hair color)を列挙し、強度トークン(例:strongly)や重み付けが許されるツールであれば、軽く調整を加えます。

画像生成:LoRAとタグで混在を制御

特定のキャラクター性や衣装デザインを維持したい場合は、LoRAやスタイルタグで補強します。

  • LoRAの利用: キャラクター寄りや特定衣装を再現したい場合、LoRA(追加学習モデル)やスタイルタグで補強します。片方の人物にのみLoRAを適用し、もう片方は別のスタイルで対比させると、AIが二つの属性を明確に識別しやすくなります。
  • 強度調整: LoRAの強度が過剰だと、画像全体やもう一人の人物の属性まで引っ張られてしまうため、強度を段階的に調整し、バランスを取ることが重要です。

比較:写真調とイラスト調の安定度

生成する画像のスタイルによって、プロンプトの効果や安定度が異なります。

  • 写真調(リアル系): 現実的な制約(光、影、物理法則)が強いため、構図の差光のコントラストが効きやすいです。しかし、顔や身体の融合(顔融合)といった不気味の谷現象のリスクもあります。
  • イラスト調(記号系): 記号で差別化しやすく、髪型や服装といった記述の少ない属性はAIが勝手に省略・簡略化しがちです。識別性の高い(色や形状の強い)記号を活用すると安定します。

制限:指先・衣装混在の典型トラブル

AIが苦手とする表現を避けることで、失敗作を減らすことができます。特に以下の典型的なトラブルには注意しましょう。

  • 身体の破綻: 指先の形状腕の交差といった複雑なポーズは、AIが苦手とするため、ポーズは非対称にし、手は片方だけを大きく映すなど、難易度を下げる工夫をします。
  • 属性の混線: 柄物は一人だけにする、衣装の色相を大きくずらす、といった原則を設けます。失敗例を保存し、次回のNegative Promptへ追加する運用が、再現性を高める上で非常に有効です。

エージェント:反復生成と評価の自動化

AIエージェントや自動化ツール(ComfyUIなど)を活用することで、効率的な試行錯誤が可能になります。

  • 自動評価ループ: 同一のseed(乱数シード)で人物の属性だけを回すバッチ生成を行い、類似度や識別スコアで選別するループを作ります。
  • 知見の資産化: 失敗パターンや、うまくいった良例の属性をテンプレへ反映する仕組みを作ることで、学習効率が上がり、人手レビューの観点もスコアカード化しやすくなります。

Deep Research:参照画像と特徴抽出

プロンプト 二 人 描き 分けの精度を高めるには、参照画像から具体的な特徴を抽出してプロンプトに落とし込む作業が有効です。

  • 特徴の分解: 参照画像から「髪型、輪郭、眉、鼻、口角、小物、配色」といった要素を箇条書きで抽出します。
  • 数値化: 曖昧な表現(例:少し長い)は避け、「肩まで」「七分袖」「青緑」のように、数値や具体的な名詞に置き換えることで、AIの解釈のブレを最小限にできます。

ログ:seed固定と差分検証の手順

プロンプトの改善を迅速に行うために、検証のルールを確立します。

可視化: 比較画像を並べ、どの記述が識別に最も効いたかを可視化することで、テンプレの改善速度が上がります。

固定と変更: seedを固定し、変更は1箇所ずつ(例:衣装の色だけ、照明の角度だけ)というルールを徹底します。

履歴の分類: 差分は「追加」「削除」「重み変更」に分類して履歴を残します。

よくある質問

よくある室温のAI画像

二人の指定が混ざってしまう原因は何ですか?

主な原因は属性の書き分け不足と構図の対称性です。人物A/Bの情報が交互や長文で混在すると、モデルが「どちらの属性か」を判別しにくくなります。ブロック化して「役割→外見→衣装→ポーズ→位置→感情」の順で分け、共通属性は最後に集約してください。構図は左右・前後・姿勢をずらし、視線方向も変えると識別が安定します。Negativeで「merged faces」「identical outfits」などの禁止事項を明示するのも効果的です。

人物の呼称はA/Bと名前、どちらが良いですか?

一貫性が保てるならどちらでも構いませんが、A/Bは短くミスが少ない一方、名前は記号性が薄い場合に誤読の誘因になります。固有名で行く場合は「A=Hanako(赤のワンピース、左、読書)」「B=Yuki(青のジャケット、右、ギター)」のように括弧で識別子をまとめ、以降は同表記で通してください。撮影的条件(left/right、foreground/background)を先に固定するのも混同防止に効きます。

写真調で顔が融合する時の対策は?

距離と角度を変えるのが第一です。85mm相当の中望遠指定、被写界深度で前後差を付け、片方にだけリムライトを当てると輪郭が際立ちます。顔周辺のNegativeに「blended faces, double pupils, misaligned eyes」を追加し、髪色・前髪・分け目を各ブロックに明記しましょう。指示が長い場合は重要語を前方に寄せ、助詞は最小限にします。seedを固定して差分検証を行うと改善点が特定しやすくなります。

衣装の差は色だけで十分でしょうか?

色差だけでは混線が残ることがあります。素材(サテン/ウール)、柄(ストライプ/無地)、シルエット(ロング/ショート)を同時に変えると安定します。片方のみ柄物、もう片方は無地にしてコントラストを強めるのが定石です。小物は「帽子vsメガネ」「本vsギター」のように役割を象徴するものを割り当てると、遠目でも識別できます。背景の色相も左右で変えるとさらに効果的です。

Negativeはどれくらい書けば良いですか?

必要最小限で十分です。避けたい混同を具体的に列挙し、過学習を誘う抽象語は避けます。例:「merged faces, identical outfits, same hair color, crossed arms confusion」。ツールによっては重みが使えるため、最優先の禁止事項のみ強調してください。増やしすぎると創造性が落ちるため、失敗を見て追加・削除を繰り返す運用が現実的です。履歴を残すと再現性が上がります。

英語と日本語、どちらで書くべきですか?

モデルやサービスの学習分布に依存しますが、人物の位置・色・素材・レンズ指定は英語のほうが安定するケースが多いです。日本語で下書き→重要語だけ英語へ翻訳→A/Bブロック化、という手順がバランス良好です。混在時は読点とセミコロンで区切りを明示してください。人名・色名・左右などは英語併記(left/right, red/blue)で誤解を減らせます。

参照画像はどう使うと効果的ですか?

まず参照から特徴を言葉に変換します。「肩までの黒髪、厚め前髪、丸眼鏡、赤の無地」など具体語にしてAブロックへ、Bは対照になる特徴を選びます。画像条件付け機能がある場合は重みを低めにし、テキスト側で差別化ポイントを強調してください。参照が強すぎると二人とも同傾向に寄るため、人物ごとに別参照を使うか、共通参照+テキスト差別化を徹底します。

ツールごとの違いはありますか?

あります。タグ型のサービスは順序と区切り記号の影響が大きく、文章型は語順と接続の明確さが重要です。どちらでも共通するのは「A/Bブロック→共通→Negative」の順序、構図と距離の先出し、識別子(小物・色・髪型)の対照配置です。LoRAやスタイルの強度は控えめに始め、混同の度合いに合わせて段階調整してください。seed固定の差分検証で最適点を探るのが近道です。

商用利用時の注意点は何ですか?

人物や衣装の設定が既存作品やブランドを想起させる場合、権利・ガイドラインに抵触する可能性があります。一般名詞での記述を基本にし、固有の意匠やロゴは避けてください。サービスの利用規約とライセンス、生成物の権利範囲、肖像やプライバシーの取り扱いを事前に確認しましょう。不確実な場合は公開前に再確認し、クレジット表記やモデルカードの参照を残すと安全です。

まとめ|二人の差は構図と属性ブロックで決める

  • 人物ごとに属性をブロック化し、順序はA→B→共通→Negative。
  • 左右・前後・姿勢・視線で非対称構図を作る。
  • 衣装は色相・素材・柄・シルエットを同時に差別化。
  • 髪型・前髪・分け目・アクセで識別点を増やす。
  • 小物は役割のシンボルとして片方ずつ割り当てる。
  • 照明は色温度差とリムライトで輪郭を強調。
  • Negativeに融合・交換・同色系を具体語で列挙。
  • LoRA/スタイル強度は控えめに始め段階調整。
  • seed固定で差分検証、良例をテンプレへ反映。
  • 商用時は規約と権利の一次情報を確認して運用。
AIVice(アイヴィス)
Web制作や社内システムの企画・運用に携わり、現在はWebサイト制作とマーケティングを中心に活動中。「伝わる・使える・結果が出る」情報発信を心がけています。
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