Canvaでは、Adobe Illustrator形式(.ai)のファイルを直接編集することはできませんが、変換やインポートの工夫で活用可能です。aiファイルをCanvaに取り込む場合、対応フォーマットへの変換が必要になることがあります。本記事では、canva aiファイルの使い方や変換方法を解説します。
- Canvaは.ai形式を直接編集できない理由がわかる
- aiファイルをCanvaで使うための変換方法
- デザイン崩れを防ぐための注意点
- 代替手段としてのSVGやPDF利用方法
canva aiファイルがそのまま使えない理由

- CanvaはIllustrator専用のベクターデータ形式に非対応
- aiファイルの構造がCanvaの編集エンジンと異なる
- 一部フォントやエフェクトが正しく表示されない
- Adobeの独自仕様を含むため変換が必要
- プラグインや拡張機能での直接対応がない
- 互換性保持には別形式の保存が推奨
- 一部データはラスタライズされる可能性がある
CanvaはIllustrator専用のベクターデータ形式に非対応
CanvaがIllustratorのネイティブファイル形式である「.ai」ファイルを直接サポートしていない最大の理由は、そのデータ形式がIllustrator独自のベクターデータ構造に基づいているからです。
Canvaは、主にウェブベースの編集を想定しており、より一般的なベクター形式(SVG)やラスター形式(PNG, JPG)に最適化されています。
そのため、Illustratorのレイヤー情報、アピアランス、独自のエフェクトなど、高度な機能を含むaiファイルをそのまま読み込むことはできません。
aiファイルの構造がCanvaの編集エンジンと異なる
aiファイルは、Illustratorの編集エンジンで扱うための独自の構造を持っています。
これに対し、Canvaの編集エンジンは、ドラッグ&ドロップやテンプレートベースの編集に特化しており、Illustratorのような複雑なベクターデータを解析し、編集するようには設計されていません。
この根本的な構造の違いが、直接的な互換性の欠如につながっています。
一部フォントやエフェクトが正しく表示されない
たとえaiファイルを何らかの形で読み込めたとしても、Illustratorで作成した特殊なフォントやエフェクト(グラデーションメッシュ、アピアランスなど)がCanva上で正しく表示されない、あるいは全く表示されないという問題が発生します。
これは、これらの機能がIllustrator独自のレンダリングエンジンに依存しているためです。
Canvaではこれらのエフェクトを再現できないため、データが破損したり、意図しない形で表示されたりします。
Adobeの独自仕様を含むため変換が必要
aiファイルは、Adobe社が開発した独自仕様のデータです。
この仕様は一般に公開されているものではないため、Canvaのような他社製ツールが完全に互換性を持たせることは困難です。
そのため、aiファイルをCanvaで使いたい場合は、Adobe社のツールで互換性のある形式(SVG, PDF)に変換する必要があります。
プラグインや拡張機能での直接対応がない
現時点では、Canvaの公式なプラグインや拡張機能で、aiファイルを直接インポートする機能は提供されていません。
これは、上述したように技術的な互換性の問題が大きいためと考えられます。
ユーザーは、aiファイルをCanvaで使いたい場合、一度別のツールで互換性のある形式に変換するという手間をかける必要があります。
互換性保持には別形式の保存が推奨
Illustratorで作成したベクターデータをCanvaで使いたい場合、SVG(Scalable Vector Graphics)形式での保存が最も推奨されます。
SVGは、ウェブ上で広く使われているオープンなベクター形式であり、Canvaがサポートしています。
これにより、解像度を保ったまま、Canva上での拡大縮小や色変更が可能になります。
一部データはラスタライズされる可能性がある
aiファイルをPDF形式で保存し、Canvaにアップロードする方法もありますが、この場合でも、透明効果や複雑なグラデーションを含む一部のデータが、編集可能なベクターデータではなく、画像データとして扱われる(ラスタライズされる)可能性があります。
これにより、Canva上での編集が制限されることがあります。
canva aiファイルを使うための変換方法



- Illustratorで.aiを開き「SVG」形式で保存
- Illustratorで「PDF」形式として書き出す
- オンライン変換ツールでSVGやPDFに変換
- 変換後のファイルをCanvaにアップロード
- レイヤーや文字崩れを確認し調整
- 編集後に再度エクスポートして利用
- 必要に応じてPNGなどラスタ形式で使用
Illustratorで.aiを開き「SVG」形式で保存
AIファイルはAdobe Illustratorの独自形式なので、そのままではCanvaがうまく読み込めない場合があります。
まずIllustratorで開き、「ファイル → 別名で保存」からSVG形式を選択しましょう。
- SVGはベクターデータ(点や線の情報)を保持できる形式なので、拡大しても劣化しません。
- ロゴやアイコン、図形をCanvaに持ち込みたいときに最適です。
⚠️ 注意点
- 複雑なグラデーションや特殊効果(ドロップシャドウなど)は正しく再現されないことがあります。
- フォントはアウトライン化(文字を図形化)してから保存すると、文字崩れを防げます。
Illustratorで「PDF」形式として書き出す
もうひとつの選択肢はPDFでの書き出しです。CanvaはPDFに強い互換性を持っています。
- メニューから「ファイル → 別名で保存 → PDF」を選択
- オプションで「編集可能なテキストを保持」をチェック
メリット
- レイアウトが比較的崩れにくい
- 複数ページのデザインもCanvaにそのまま読み込める
- 印刷を想定している場合にも相性が良い
⚠️ 注意点
- フォントがCanvaに存在しない場合、自動的に代替フォントに置き換わります。
- 元のIllustratorファイルを保存しておき、再調整できるようにしておくのがおすすめです。
オンライン変換ツールでSVGやPDFに変換
Illustratorを持っていない場合でも、無料のオンライン変換ツールを使って.aiをSVGやPDFに変換できます。
代表的な変換ツール例
- CloudConvert
- Convertio
- Zamzar
使い方はシンプルで、AIファイルをアップロードし、出力形式を「SVG」または「PDF」に設定して変換するだけです。
⚠️ 注意点
- 無料版はファイルサイズに制限がある場合があります。
- セキュリティの観点から、商用や機密データを含むファイルはアップロードを避け、なるべくオフラインの変換方法を優先しましょう。
変換後のファイルをCanvaにアップロード
変換したファイルは、Canvaの**「アップロード」機能**から取り込みます。
- 左側メニュー「アップロード」 → 「ファイルをアップロード」から追加
- ドラッグ&ドロップでもOK
アップロード後は、Canvaのエディタ画面に配置して自由に編集できます。
レイヤーや文字崩れを確認し調整
ファイルをCanvaで開いたら、必ず以下を確認しましょう。
- レイヤー構造:パーツが正しく分かれているか
- 文字崩れ:フォントが置き換わっていないか
- 配色:色が薄くなったり濃くなったりしていないか
調整方法
- Canva内の「フォント選択」で日本語に対応したフォントを指定し直す
- 配色はカラーピッカーで修正
- 図形や背景がバラバラになっている場合は、グループ化して整理
編集後に再度エクスポートして利用
Canvaで編集が完了したら、**「共有 → ダウンロード」**から用途に合わせた形式でエクスポートします。
- 印刷用:PDF(高画質)
- ウェブ掲載用:PNG(透過背景が必要ならチェックON)
- SNS投稿用:JPG(軽量で扱いやすい)
- さらに編集したい場合:SVG
⚠️ PDFを再度Illustratorで開くと、一部のレイヤーが統合される場合があるので、再編集予定がある場合はCanva側でバージョン管理をしておくのがおすすめです。
必要に応じてPNGなどラスタ形式で使用
どうしてもAIやSVG形式でうまく変換できない場合は、最終手段としてPNGやJPGなどのラスタ形式で利用する方法もあります。
- メリット:確実に表示でき、崩れない
- デメリット:拡大すると画質が劣化、色補正や要素ごとの編集ができない
この方法は、完成したロゴや背景素材をそのまま使うときに適しています。
💡まとめると:
- 編集性を保ちたい → SVG or PDF
- 確実に表示させたい → PNG
- Illustratorなし → オンライン変換
よくある質問
まとめ|canva aiファイル活用のコツ
- Canvaはai形式を直接編集不可
- SVGやPDFへの変換が必要
- Illustratorで変換すると精度が高い
- 無料のオンライン変換も利用可能
- フォントはアウトライン化推奨
- 複雑なエフェクトは崩れる可能性あり
- 変換後の確認・修正を必ず行う
- シンプルな構造にするほど互換性UP
- 機密データは安全な方法で変換
- Canva上で最終調整して活用






